2020年8月5日水曜日

三年間、夏服一枚で働かされた朝鮮人も


大東亜戦争勃発後□『朝鮮人の皇民化』が叫ばれ軍国主義的□□に名をかりて地方から狩り立てて来たばかりの新参労務者に訓練が強ひられたが、三ヶ月間は殆ど睡眠時間は与へられていなかった/また日本人労務者の不足対策として坑内危険作業は主として朝鮮人労務者に振り向けられたにも拘らず、待遇□日本人とはまったく差別せられ日給において五十銭の差すらつけられた、衣服の至急は故郷を出たとき冬着のものはそれ一着夏服のものは夏服だけで三年の間一着も支給されない労務者すら別な方面にあったのである『飢えたる奴隷』といふが、鉄鎖を引きずらないだけのちがひで、全く言葉通りである


(出典:「坑内の監獄部屋で火あぶり殺しの極刑 虐げられた朝鮮人鉱夫」)
『神奈川新聞』19451120日付

解説
終戦の3か月後に神奈川県の地方紙に掲載されたもの。戦時中に朝鮮人が劣悪な労働を強いられたことを伝えている。この時期には、戦時中の虐待に抗議した朝鮮人の労働争議が頻発しており、記事の背景にはそうした事情も関係していると思われる。□は原文が判読不明の部分。